読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

UCバークレー留学記

カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)での思考の記録。

感想 「原因を推論する -- 政治分析方法論のすゝめ」久米郁男

www.amazon.co.jp

 

現在、同時平行で10冊くらいの教科書を研究のリハビリ的に読んだり、その中の問題を解いたりしています。本書はその中の一冊で、評判どおり「あたり」でした。

 

タイトルにもあるとおり、本書は因果関係の科学的な推論方法について、平易な日本語と身近な事例でコンパクトに、しかし体系的に説明した入門書です。分量は薄いですが内容は濃いです。類書は翻訳を中心にたくさんあります。しかし、それらの多くは分量が多かったり、読みにくかったりするので、まずは本書でしっかりと基礎を固めて、次の本に進むのがよいかなと思います。

 

たとえば、学生時代に計量経済学や計量政治学、研究方法論の授業を受けたことのある実務家の方は、忘れかけた内容を短時間で復習するのに向いています。私も留学時代にかなりしっかりと勉強したつもりですが、時間がたつとかなり忘れてしまっていました。コンパクトかつ体系的にまとめてあるので、復習にも最適です。

 

また、そういう授業を受けたことのない方も、本書をしっかり読めば、因果関係の科学的な推論(方法論)が統計学などの前提知識がなくとも理解できます。もちろん、研究を自ら行う場合には、当然次の段階の本(たとえば計量経済学、計量政治学、リサーチメソッドなど)を読む必要がありますが、その第一歩としてはすばらしい本だと思います。

 

この本に書いてあるようなことが、日本の政策関係者のなかで当たり前になったら、政策の議論のレベルが何段も上がると思います。日本の政策立案における調査結果の扱い方は、実にむちゃくちゃなのです。これについては、本ブログで具体例をもとに、論じて生きたいと思っています。

 

政策やメディア関係の方、大学や大学院で研究を始めようという方におすすめです。

 

 

政策と政治に興味のある方はこちらもおすすめ。

政策立案の技法 | ユージン バーダック, 白石 賢司, 鍋島 学, 南津 和広 | 本-通販 | Amazon.co.jp

phdryugaku.hatenablog.com