UCバークレー留学記

カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)での思考の記録。

UCバークレー公共政策学博士課程(Ph.D in Public Policy)の概要

phdryugaku.hatenablog.com

 

以前、私が卒業した修士課程のご紹介をしましたので、次にこれから入学する博士課程(Ph.D in Public Policy)のご紹介をしたいと思います。GSPP開校当初(1970年)当初から設置され、公共政策学の教授たちを多数輩出してきた歴史あるプログラムです。

 

今年博士課程に入学するのは例年どおり3名。LSEで修士を取得したあと、現在ホワイトハウスでエコノミストとして働いているイギリス人の女性、UCバークレーのGSPPでMPPをこの春に取得した刑事司法を研究するメキシコ人の女性、そして日本人の僕です。全員が外国人というのはGSPPのPh.Dで初めてじゃないかと思いますが、アメリカのPh.Dは世界中から学生が集まりますので、留学生が多いのは珍しいことではありません。まだお二人にはお会いしてませんが、これから協力しながらPh.Dを乗り越えていけたらなと思います。

 

アメリカのPh.Dは、どの大学院もとてもシステマティックに組み立てられています。GSPPでも数十ページのPh.Dハンドブックというものを渡されました。こちらを読んで得た情報を、簡単に説明したいと思います。

 

まず入学をする前に、二年間のコースワークの予定をまとめた「カリキュラムメモ」というものを作成し、指導教官とPh.Dの責任者から承認を得ます。このコースワークと後に述べる博士資格試験(Qualification Exam)によって、自分の専門分野だけでなく、Ph.Dとして幅広い学問の体系的な知識を得たことを確認するわけです。このコースワークは、いわゆるPh.Dレベルのもので方法論的なもの(methods)が多くを占めます。自分の場合は計量分析のための方法論(経済学、数学、統計、データサイエンス、最適化、リサーチデザインetc)が多くを占め、修士のようにエネルギーのトピック的な授業はあまりとることはないでしょう。

 

入学すると、毎学期、毎週2時間のPh.Dセミナーというものが行われます。学年を問わず、Ph.Dの学生はこのセミナーに集まり、お互いの研究を発表し、より良いものにしていきます。本セミナーの教官は毎学期変わるようです。

 

コースワークを行いながら、1年目の最後には、博士研究のプロポーザルを提出し、審査委員会から評価を受けます。また、2年目の最後には、博士資格試験(Qualification Exam: QEと呼ばれます)を受け、晴れて合格するとPh.D StudentからPh.D Candidateへと昇格(?)します。これらは、失敗すると退学となります(!!!)。

 

Ph.D Candidateになると、その後はコースワークではなく、ひたすら自分の論文に取り組むことになります。フィールドなどでデータを収集し、そのデータを分析し、論文を書きます。その間にコースワークをとっても良いですが、その数はとても少ないようです。

 

なお、これらすべてを行う間、Ph.Dの学生は学部や修士の学生に授業を教えたり、指導教官の研究助手を行ったりすることになります。これらが今後、アカデミアで研究や教育を行っていくうえでのトレーニングとなっていきます。概ね週の半分くらいはこういった活動に充てられます。

 

私の場合は、GSPPに加えて、RAEL(再生可能エネルギーラボ)にも所属し、オフィスを持ちますので、ラボでのセミナー発表や仕事にも取り組むことになります。

 

Ph.D向けオリエンテーションは、渡米後すぐに行われます。また変更などがあったら修正したいと思います。あと1ヶ月、体調だけに気をつけて元気で渡米したいものです。