読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

UCバークレー留学記

カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)での思考の記録。

GSI(Graduate Student Instructor)①

UCバークレー スキル 英語

バークレーに到着して早2週間がたちました。短い間ですが、ご紹介などを通じて素晴らしい方々との出会いが日々あり、また少なからぬタスクをクリアして、長くこちらにいるような気さえしています。

 

さて、そのタスクの一つが2015年秋学期のGSI(Graduate Student Instructor)の準備をすることでした。

 

 

GSIとは

 

バークレーでは、受講人数が30名を超える授業では、教授はGSIを雇用することが許されます。その場合、GSIが演習(Discussion Sectionと呼ばれます)の授業を担当することが多いです。例えば週に2回2時間ずつ教授が講義をし、週に1回1時間、GSIが演習を行う、というイメージです。

GSIは、週に1~2回の講義、週に2時間程度のオフィスアワーの開講と学生への対応、学生からのメールでの質問の回答、宿題の作成と採点、テストの作成と採点、試験監督、学期末の成績評価などを行います(ただし、授業の性質(ラボ)やクラスサイズ、教授の志向によっては上記の一部が変わることもあるようです)。もちろん、成績や採点の最終的な責任は教授が負います。

私が担当する授業もそうなのですが、受講者数が多い授業の場合は、GSIに加えてReader(採点者)をさらに雇い、Readerが宿題の採点を担当することもあります。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、日本では教授の仕事とされるもののかなりの部分を、バークレーではGSIが担当しています。アメリカの研究大学院では、呼び方は違えど多かれ少なかれ同じではないかと想像します。ただ、バークレーは州立大学のため学部生が多いことから、GSIが学部生教育に果たす役割は極めて大きく、GSIによる授業の質の向上に非常に力を入れており、先進的な取り組みで有名だそうです。今回、様々な取り組みの一部を実際に経験して、確かに「これはすごいな」と思わされました。

 

日本でもバークレーGSIセンターは注目されているようです。例えば。

www.titech.ac.jp

 

http://educate.academic.hokudai.ac.jp/center/koutou_pro.pdf

 

 

バークレーでは多くの場合Ph.Dの学生がGSIとなり、学部生向け、修士生向けの授業を担当します。修士2年目や3年目(concurrent degreeなど)の学生も教える可能性があります。

f:id:knjshiraishi:20150823140035j:image (キャンパスに入ってすぐの道)

 

GSIになるステップ

 

さて、留学生がGSIになるには、

①GSIの公募に採用され、

②OPT(Oral Proficiency Test)に合格し、

③丸2日間にわたる教授法ワークショップに参加し、

④オンラインのGSI Professional Standards and Ethics Online Course | GSI Teaching & Resource Centerを受講し、

週2-3時間の教授法の授業を1学期にわたって受講すること

の5つをクリアする必要があります。これらはどのような順番で進めても構いません。このほか、ASE(Academic Student Employee)としてのセミナーに参加したり、社会保障番号(SSN)をとったり、労働組合に入ったり、いろいろな事務作業があります。

 

f:id:knjshiraishi:20150823140341j:image

(キャンパスでどんぐりをほおばるリス)

 

公募

 

①の公募は、まずスクールやデパートメントの大学院生向けメーリングリストに流されます。それに対し、CVやカバーレターを提出して応募することになります。そこで埋まらなかったポジションは、他学部などより広い対象に対して公募がかけられます。

ただし自分の場合は、Ph.D合格時のパッケージの中で、2015年秋学期はエネルギーの授業のGSIになることが決まっていたため、この二週間で残りの②と③をクリアする必要がありました。

f:id:knjshiraishi:20150823140637j:image (個人的にお気に入りのCalifornia Hall)

 

OPT

 

このOPT、まずGSIとして5分間の模擬授業を行います。そして、GSIセンターに雇用された2名の学部生からの質問に対応し、その後試験官の幅広い質問に答えるというものです。ビデオテープに録画されつつ、教室の後ろに控える2名のESLの専門家が採点するという緊張感あふれるテスト。総合点、発音、質問への対応のすべてが4点満点中の3-以上であれば合格、というものです。Ph.Dに在学する留学生の友人に聞いた話では、東アジアの学生は結構落ちてると聞いたので、まずこれをクリアすることが最初のタスクでした。

自分をよく知るバークレーの方々からは「君なら絶対大丈夫だ」と言われていたのですが、万が一これに落ちてしまうといろいろと予定が変わってしまうので無事に通った(3+)時はほっとしました。

英語のプロが多角的に評価してくれるので、それぞれの分野のスコアを見るのはなかなか興味深かったです。ビデオを見ながらのフィードバックももらえるそうなので、今度聞きに行くつもりです。

詳しくは以下のサイトに載っています。

The Oral Proficiency Test (OPT) | GSI Teaching & Resource Center

 f:id:knjshiraishi:20150823140505j:image

 

Teaching Conference

 

さて、次に8/20-21にはGSI Teaching and Resource Centerが主催するTeaching Conference for First-Time GSIというワークショップに参加しました。初日は留学生向けで、約200人、二日目は全体向けで約900人が参加したとのことです。

Fall Conference Information | GSI Teaching & Resource Center

f:id:knjshiraishi:20150824060641j:image

参加者数が多いので、会場の前にはこういう列ができていました。

両日とも、分野ごとに2、30名ずつに分かれてかなりインテンシブなワークショップをしました。自分はSocial Science (Quantitative)のグループで、「いやというほど」3,4名ずつのグループワークをやりました。アメリカの教授法(pedagogy)の基本はグループワークにあり、長時間講義を聞き続ける、ということがほとんどありません。教育効果は高いのでしょうが、8:30-15:00で昼食も45分しかなく、終わった後は頭がへとへと。

ただし、内容は非常に興味深く、劇団の役者さんを呼んでロールプレイをするなど教授法も凝っていて、かなり役に立ちました。

 ちょっと長くなりすぎたので、続きは次回にご紹介したいと思います。