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UCバークレー留学記

カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)での思考の記録。

政策立案の8ステップ ステップ1:「勝利条件と結果検証」為末さんのブログより

私が政策立案研修の冒頭で言っている「問題を定義すること」(政策立案の8ステップ ステップ1)を、為末さんがずっとわかりやすく書いていたのでご紹介します。

 

tamesue.jp

 

(抜粋)

「私が常々思う日本の悪い癖に、勝利条件(今回の場合、成功の基準という意味も含む)が試合の前後ですり変わるということがある。例えば試合前は勝利が目標だとしておいて、試合後は成長が目標だったということや、戦争中に今回の作戦は敵部隊を殲滅するのが目標と言っておいて、こちらが壊滅的打撃を受けると相手には驚異を与えたから成功だったと言ったり、することだ。

(略)

勝利条件を前後ですり替えてしまうことの最大のメリットは失敗をなくすことにある。試合前の目標で試合後も評価してしまえば失敗と成功がはっきりとわかってしまうが、試合前の目標を達成したときはそれで評価し、試合前の目標を達成できなかったときは、違う成果が得られたとすり替えてしまえば、事実上失敗がなくなる。

 

日本の政策の一番の問題点は、PDCAをまわせていない、もっと言うと、そもそも立案の際に明確な目標設定をしていない、ということだと思っています。

だから研修では、研修生のみなさんはステップ1の問題(目標)定義に一番戸惑い、苦労します。その理由の一つとして、行政においては、明確な目標設定をすることがほとんどないか、あるいはその目標が実施されたかどうかの点検を行わないから、そういう思考にそもそもなじみがないのです。

その結果どういうことが起きるかというと。

「勝利条件が前後ですり変わることの問題は二つあると私は思う。一つは本気で目標を達成しようとはだんだん思わなくなること。もう一つは結局何を改善すればいいのかがはっきりしないまま終わること。

 

勝利条件をはっきりと設定すると何が起こるのかというと、失敗と成功が明確にわかれ、責任の所在が見えてくる。ある意味で勝利条件をはっきりさせすぎないことで、やんわりとみなで責任を負いあう。勝つことには向いていないが、丸く収めるという文化にはこれは合っているのかもしれない。」

 まずは成功(すなわち失敗も)を定義し、その成功と失敗を分析して次に生かさないと、改善されていくことはありません。今のところ、「目標」と「改善」という言葉は、政策を実施している場所からはとても遠いものになっています。

頻繁なジョブローテーション、政と官の関係、政策効果の測定の問題など、様々な理由があって、このような状況になっているわけで、日本ですぐにそれを変えることは容易ではありません。しかし、まずはその現状を受け止めることから改善は始まると思います。

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そろそろ夏も終わりです。

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